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吉野の渓流に魅せられて



薫製器

波トタン板を半分に切る
2枚を横1枚にビスで止めて、筒状にする
1mの長ボルトを半分に切断
トタンに穴を開けてボルトを通し、両側からナットで固定

あまごの薫製

薫製器の自作
1枚の波トタン板を半分に切り、横2枚にビスで繋ぐ。円筒にして針金でかるく止める。鉄杭を2本差し込んで棚を作り網を置く。魚の量によって2〜3段。上の網は吊ってもよい。円筒の真ん中より下には網棚を置かないこと。魚が焼けてしまう。七輪に備長炭の太いもの(長持ちする)を2〜3個くらい入れ木炭に火が回った時点で桜の太い生木を1〜2個くらい(直径10センチくらいなら1個)入れる。この作業の間にあまごの下ごしらえをする。

あまごの下ごしらえ
あまごの腹を開き、内蔵、血あい、エラを取り除き、きれいに洗う(この下ごしらえは、釣った現場でしておくのがよい)。

薫製は、下ごしらえが大変だというイメージがある。とくに、サミュール液漬け込み法(塩、三温糖、香草等で作った液に漬け込み、その後塩抜きをして乾かす)だと、漬け込みから乾かしまで3〜4日くらいを要するので、週末の1日で楽しむというわけにはいかない。そこで、僕は、週末1日のインスタント薫製法を考え出した。手間が省けて結構おいしく作ることができるので紹介する。

(1)解凍後の魚を20パーセント食塩水に少量の胡椒や香草を加えて20分浸す。取り出して、水洗いをしない。
(2)爪楊枝を適当な長さにして腹につっかえ棒のように入れて腹を開く。取り出して網の上に置き自然に水を切り、しばらく乾かす。これで完了。

◎漬け込み液(サミュール液)を事前に作っておくと、香草の香り付けも可能。

薫製の要領
下ごしらえしたあまごを、網に腹を下にして並べて置く。厚ベニヤ板で上部を塞ぐ。5時間〜6時間くらい燻す(途中、木炭1個と生木を追加し、木炭がなくなるまで)。決して大きな炎をあげさせないこと。飴色になるまで燻す。水分が完全になくなり、魚肉に適度な柔らかさが残っている状態で完成。火の確認のための蓋の開け閉めはできるだけ少なくし、温度変化を少なくすること。

塩の加減と火の加減は経験がものを言う。何度も失敗して経験を積む。塩鮭の切り身などいろんな薫製ができる。

 

20パーセント食塩水に、胡椒、バジル、五香粉(ウーシャンフェン)などを加えた液に
20分漬け込み、塩抜きをしないで、そのまま燻煙する。ただし低温薫製。
 

上からのぞくとこんな感じ。棚が2枚ある。20〜30匹ぐらいを一度に燻煙する。


あまごの塩焼き
塩焼きは魚料理の定番。しかし、これがなかなか手強い。あまごの塩焼きも、焼き方で激しく味に差が出る。こだわりの焼き方で美味しくいただきたい。
遠赤外線でじっくり焼く。エラ、はらわた、血合いを取りきれいに洗う。このことはすべてのアマゴ料理に共通する下ごしらえ。

食塩を振る
水分をぬぐって(とくに内側の)から塩を振る。塩の種類にこだわってもよいが、肝心なのは塩の種類ではなくて、塩の振り方にある。塩はできるだけ細かい粒のものを使う。荒い塩は細かくすりつぶす。よく、ぱらぱらと、アバウトな感じで塩を振っている職人を見るが、職人ではない僕たちは、そんな真似を決してしてはいけない。細かい穴の開いた瓶に乾いた細かくすりつぶした塩を入れて、少し上から身全体にまんべんなくまぶすように振りかける。化粧塩は必要ない。これが一番のコツ。

強い熱で遠く離して焼く
二つ目に肝心なのは焼き方。30センチ以上の竹串(最近は100均でも時折見かける)を魚の口から刺し、背骨
を縫うように尾の付け根あたりまで刺す(突き通してはいけない)。
バーベキューコンロは足を取り、低い位置で木炭に火を入れる。木炭(火持ちのよい太い備長炭が最高)に火が回ったら、コンロの底にまんべんなく広げる。炎や煙が上がっている状態はまだ焼くには早い。コンロの周りに穴を開けた太い木材(僕は2×4の木材を利用)に竹串を差し込み、魚がコンロの上方を囲むようにする。
早く焼こうと考えて炭火の上に魚をかぶせないこと。すぐに焦げ目がつくような焼き方が一番悪い。焦げ目がないと焼いた感じがしないから、つい魚を火に近づけるが、これはだめ。時間をかけてゆっくりと焼く(焼くというよりかわかすイメージ)。魚の口元からよだれのように水分が出てくる。その水分が竹串の途中で固まってくると身を裏返す。身が飴色に変化し始める。炭火が弱ってきたら、真ん中に山のように寄せる。遠赤の熱線は集めることで強くなる。魚の場所にもよるが、身がほどよい弾力を残しているうちに終了。約2時間ほどかかる。絶品。
桜の木を調達できるなら、焼きの途中で炭火の上に寝かせて煙を上げさせる。軽くスモークの香り付けができてなおよし。


あまごの唐揚げチーズあえ

定番の3番目は唐揚げ。12センチ前後の新子アマゴ(晩秋の禁漁前によく釣れる)なら、すぐに骨まで火が通ってうまい。ただし、小さいアマゴをたくさん釣るのはなんだか気がすすまない。
僕は、15〜20センチクラスの良型アマゴを使う。部位によって火の通り方が異なるので、これを一口サイズのブツ切りにする。
水を切ったアマゴのブツ切りサイズに軽く塩、胡椒をして、片栗粉をまぶす。やや温度を控えめにした油(油は「九鬼の太白胡麻油(白)」がお勧め=淡泊でくせのないおいしい油です。胡麻の香りが欲しいときは、茶の胡麻油を加える。)でゆっくり揚げる。小麦色に揚がってきたら一度外に出して、油の温度を上げて、再び揚げる。ここでこんがりときつね色になる。腹にチーズ(キリのクリームチーズ)をたっぷりつめ込んで完成。クリームチーズの柔らかい酸味が効いて美味。


         



あまごのお刺身(アマゴ保存の仕方)

釣った魚は、必ず現場の川で処理をしてクーラーに入れて持ち帰るようにする。早朝から釣行に出て、夕刻に帰ってきてから調理をするのは、愚の骨頂。わざわざまずくなった魚を食べるようなことは魚に申し訳ない。ましてや、刺身にできるような良型サイズは現場で必ず腹を取っておく。時間が経てば背骨の血合いが魚身に染みて身が崩れてしまう。
自宅に戻ったら、すぐ水洗いをして、クッキングペーパーなどで水分をぬぐい去り、ラップをかけて冷蔵庫に保存する。
釣果が多く、保存して後日食べる分は、水分をぬぐい去り、数匹ずつビニル袋に詰めて、空気を抜き、(酸化を防ぐために必要)冷凍庫に保存する。この作業を丁寧にしておくと3ヶ月くらいは味が変わらない。空気の抜き方は真空パック器などがあればいいが、僕はいつも図の要領でやっている。袋ごと水に浸けて空気を追い出す方法とストローで空気を吸い出す方法がある。空気が抜けたら輪ゴムで口を縛り、更にもう1枚のビニル袋に入れてまた口を縛る(1枚だと破れるおそれがあるから)。
さて、アマゴは身が柔らかいので刺身包丁はよく研いでおくことが肝心。しかも刺身は、完全に解凍したものは身が柔らかくて包丁さばきがうまくいかない。半解凍の状態で行うと皮のはがれがうまくいき、また切り身がきれい。



あまごのかりかり茶漬け
アマゴを三枚に下ろして、塩、胡椒で味付けし唐揚げにする。中骨のある身は、特にじっくりとかりかりに揚げてこまかく裁断する。上下の身は短冊に切って、熱々のごはんに、たっぷりまぶして、薬味を加え(ミョウガ、ミツバ、オオバ、など・・・いっしょにしてはいけない)、塩吹昆布を数枚乗せてあっさり目の和風だし汁をかける。刺身を数枚乗せると超豪華。鯛茶漬けより美味。

(写真は3枚に下ろした身の部分と、中骨、腹骨、尾びれなど)


あまごネギ丼
太白胡麻油(白)をたっぷりと入れたフライパンでネギのみじん切りを炒める。そこに塩、胡椒で下味を付けたアマゴの身(1人前は半々身が6〜8枚・1.5〜2匹分)を置いて裏表をさっと焼く。取り出したフライパンに醤油、砂糖、酒、みりん(みりんは少量)、だしの素、水少量を加えて煮立たせてタレを作り、丼にまぶしてできあがり。簡単、最高。

漬け込みタレの作り方
特製の漬け込みタレに身を浸してから上記の調理を行うのは、さらにGood。

日本酒2 醤油1 みりん適量 砂糖少量 だしつゆ適量 すりごま適量 鷹の爪(細切れ適量)を沸騰させてさます。ここにアマゴの身を約20分漬け込む。

漬け込みタレ仕込みのアマゴ丼 うまそ〜



応用編 太刀魚の小判せんべい
先の漬け込みタレのマル秘応用編。
波止からの太刀魚釣りは僕の大好きな釣りなのだけど、初期の太刀魚は指2本半ぐらいで、刺身はもちろん、塩焼きでもちょっと辛いところがある。そこで考えたのがこれ。本当はマル秘なんだけど特別に大公開。3〜5oの厚みでぶつ切りする。これを先のタレに20分漬け込む。タレをしぼって、そのまま素揚げ。ただし、身が2分の1ぐらいに縮むまで、低温でじっくり揚げる。最後に油の温度を上げて骨まで火を通して仕上げる。酒のつまみに最高。骨はまったく気にならない。かりこりとした歯ごたえに加えて濃厚な味は、絶品。珍味商品化できそう。


(これは、漬け込み前の身。細長いハート型。できあがりの写真を撮っておくのを忘れるほど、つまみぐいに夢中になる。)

あまごのすまし汁

あまごの中華風餡掛け

あまごの磯辺揚げ

あまごのサラダ

あまごのテリーヌ