54 十津川支流 山手川
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![]() 十津川温泉郷・平谷は、西川、上湯川の大支流と、山手川の3支流の集合地だ。山手川は、先の2つの河川に比べて規模は小さいが、渓相には似通った点が多い。下流域の川原は砂利地で埋まっている。中流域からは、土砂が洗われてアユが好むような平坦な瀬が続く。上流域で水量が細くなり段差とブッシュの渓相になる。これらの渓相は、西川および上湯川の各支谷にもほぼ共通している。詳しいことは分からないが果無山地が持つ地質的な共通項があるように思える。 中流域からの平瀬は初級向きのやさしく穏やかな渓相だ。ゆっくりと川べりを歩きながら時間を過ごすのは気持ちが良い。この谷で困るのは林道が狭く、車の駐車スペースの確保に苦労することだ。民家が点在し、へたな駐車は村人の迷惑にもなる。渓流を目指す人は車での移動に頼ることになるが、概して渓流沿いの山道は狭く、なんとか幅寄せをして通行スペースを確保したつもりが、村民マイクロバスや林業トラックなどの走行を邪魔することもある。個人的な趣味が土地の生活に問題を持ち込むようでは情けない。 山手川山道の入り口付近に、公衆浴場がある。村外者の入浴料は300円。こじんまりとした、飾り気のない浴場だが、湯は実にいい。疲れが一気に吹き飛ぶ。村の方と一言二言話をするだけでも、その土地の人情に触れることができる。こちらへの釣行の際には是非とも立ち寄りたい。 |